
ここ最近の最大のヒットと言えるかもしれない「Byword」(850円)。それは純粋にライティング作業に集中するために機能を絞ったテキストエディタ。単に絞っただけでなく、集中するための環境(?)づくりに気を使い、目の前の原稿作成にただただ没頭できる事を第一としている潔さが仕事の道具として素晴らしい。またその環境づくりが的外れになってないことが大切で、機能満載で重かったり、BGMを流したり(笑)、コピー&ペーストでうっかり書式まで引っ張ってきたりと、意外に余計なお世話がテキストエディタ、ワープロアプリ、ノートアプリに浸透していました。でも「Byword」はたいへんにバランスがいい。実際に使った人、それと実際に文章を頻繁に書く人でないと実感してもらえないかもしれませんが、良かったと思う点は以下。
(1)全画面表示をわかってる
余白をたっぷり取った全画面表示。行幅も3段階選べて自分は中。背景は白と黒が選べて自分は断然黒。MacOS Lionで特に画面の小さいMacBook Airを使うと、全画面表示がデフォルトになってきますが、iPadから受け継がれた「それしか見えない」割り切りの思想を良く理解していると思います。ほかのウインドウを隠し、余計な情報で混乱させない気遣いが全画面表示にはあるのですが、少なからず感動したのは、全画面表示での編集中に、改めて新規書類を作ると、それも別画面の全画面表示で出てきたこと。全画面表示がどんどん増える。切り替えはMission Control。地味な仕様ですが私は大変に喜びました。使わない人にはワケわかんないですね(笑)。
(2)今入力中の一文に集中させてくれるフォーカス機能
Bywordのもう一つの買いは、入力中のその一文に集中できるよう、いくつかの表示モードを準備していること。例えば入力中のパラグラフ、もしくは一行以外の文字のトーンを落として表示するモード。背景を黒設定にすると入力中の文字が白、それ以外はグレイで表示され、フォーカスの位置を明確にしてくれます。ただし、自分はパラグラフフォーカスも、ラインフォーカスも実はしっくり来ませんでした。そこだけは意図が見えすぎたからです。実はもう一つ機能があり、それがタイプライターモード。これは入力中の行が常に画面の中心の高さに位置していて、打ち終わった行がどんどん上にあがっていくものでまさしくタイプライター感覚ですが、これが一番しっくり来ました。慣れるとこれなしではストレスがたまります。
(3)テキストエディタの基本機能
細かいところでは、文字間、行間が適切で、文章の表示自体がとてもきれいな事。これは地味でありながら、気持ちよく入力するのに大きなポイントです。あと字数カウントが画面の最下段にさりげなく表示される事。字数カウントはそもそも実装されてなかったり、別ウインドウをいちいち開かないといけなかったりと意外にいいのが少ない。この表示もすぐ見つかるのに出しゃばりません。また立ち上がりや動作がきびきびしている事など、基本的なところで足を引っ張らないのもいいです。表示フォントはデフォルトの「Cochin」というフォントにしていますが、あてがわれた日本語フォントが明朝系で、この雰囲気も白抜き文字と相まって、目に心地いい。
Bywordは単なる原稿作成アプリとしてだけではなく、アイデア出しや、情報を整理するなど、ほとんどの思考アウトプットの道具となりつつあります。一番の理由は、集中レベルが段違いだから。ここで思考を吐き出し、整理し、そして他のアプリに移すという新しい仕事の流れが確立されそうです。何よりたかがテキストエディタにここまではしゃぐ自分に驚きます(笑)。
